冷食も美味しすぎて感動。「無印良品」のハイレベル食品にねほりはほり!
定番ねほりはほり!
「定番ねほりはほり」とは?
第1回目は庶民の味方「業務スーパー」でした。
今回のターゲットも私たちの生活の一部! ないと困る存在の「無印良品」。
…とはいえですよ。
インテリア、生活雑貨、衣料品、食品…聞きたいテーマは山ほどある。大いに悩んだ結果、ここはなかでも生活に密着した「食品」にしぼろう!
…とはいえですよ。
カレーにスープにごはんにかけるシリーズにお菓子…ありすぎてまた迷っていたところ、なんでも知りたガールの編集Mが気づきました。
編集M
無印良品の冷凍食品って、ほかのに比べてまだ話題が少なくない?
というわけで、第2回目は「無印良品の冷凍食品」をねほりはほりすることに決定!
編集M
「こんなに美味しい冷凍食品、どうやって開発してんの?」ってみんな知りたいはずですよ。
美味しく食べただけのリサーチを終えて、いざ「無印良品」にねほりはほり突撃〜
(まことに僭越ながら…)
Amebaを代表して、ムジラーの聖地・良品計画さんの本社におじゃましてきました!
ねほはほポイント1: 冷食は2018年から。後発だったの、なんで?
編集M
私、家の家具はほぼ無印良品ですし、カレーも「ごはんにかける」シリーズもしょっちゅう食べています。無印良品には本当にお世話になっていて…今日は大興奮しています!!
日向さん
まぁ! それはうれしい。ありがとうございます!
編集M
無印良品でのお買い物にはアプリを使ってるんですけど、マイルがなかなか貯まらないからコツを知りたくて…わーごめんなさい! いきなりこんな質問で。
日向さん
笑! 新店では3倍になったり、マイバッグ持参で530マイルついたりしますよ。お客様にとってはマイルも大事かもしれません。
編集M
はい…私みたいな。
日向さん
けれど、アプリで配信している各店舗からの「お便り」にこそ無印良品らしさがあると思っています。アレンジレシピとか商品の意外な使い方とか、暮らしに役立つ情報は私たちにしか発信できませんから。
編集M
「暮らしに役立つ」は無印良品のモットーなのに…いきなり失礼しました。
気を取り直してここからは本題です。実はまだ謎が多そうな冷凍食品についてお話を聞かせてください。
日向さん
はい、なんでもどうぞ!
編集M
冷凍食品は2018年に販売開始されたそうですが、数ある食品ライアンナップがあるわりに後発だな〜という印象です。冷凍食品への参入はハードルが高かったのでしょうか?
日向さん
一番には冷凍売り場というハード面ですね。もともと無印良品の店舗では、雑貨や衣料と並行して扱える食品は常温のものに限られていました。
編集M
レトルトやフリーズドライ、お菓子などですね?
日向さん
そうです。飲料用の冷蔵設備はあったけれど、冷凍用の設備はなかったんですよ。だから、冷凍食品を置こうという発想がなかったわけです。
編集M
そこから冷凍食品に踏み切ったきっかけは?
日向さん
やはりライフスタイルの変化ですね。働き方、家族のあり方、暮らし方、いろんな多様性に連動して「食」にも多様性が求められます。そこで、日々の「食」を支えるのに冷凍食品も不可欠な存在だと考えました。
編集M
取扱店舗はまだ比較的少ないですが、今後増えていきますか?
日向さん
はい。先日の「無印良品 東京有明」のように新店舗では入れるようにしていますし、改装して増やしていく予定もありますよ。
編集M
楽しみ! うちの近くの無印良品にもぜひ〜
ねほはほポイント2: 冷食でレンチン+αの手間がかかるの、なんで?
編集M
商品開発についてはどうでしょうか?
日向さん
アルミを使わず中身が見えるようにしたり、トレーを使わなかったり、パッケージの開発なかなかむずかしかったです。
編集M
たしかに。ほかのメーカーさんの冷凍食品とは見た目から全然ちがいますもんね。
日向さん
パッケージもそうですが、解凍後に美味しく食べていただくためにも試行錯誤しました。
ですから、無印良品の冷凍食品のなかには、電子レンジで温めてすぐ食べるのではなく、少し時間を置いてなじませるものやトースターで焼くなど、解凍にひと手間がかかるものがあるんですよ。
編集M
キンパ(韓国風のりまき)もレンチンして15分くらい置いたら、温度がなじんで美味しくいただけました。正直、手間がかかるな〜って思いましたけど、その分ほんっとに美味しくって冷凍とは思えなかったです!
日向さん
ありがとうございます! 解凍方法と同じく、化学調味料を使わずにどう味を出すかも工夫ポイントなので、美味しく召し上がっていただけるのはうれしいです。
編集M
解凍後の味のクオリティをキープするために、冷凍前と解凍後、どちらもチェックしているんですよね?
日向さん
冷凍食品は「冷凍ありき」でつくりますので、味に関しては解凍後のチェックだけです。企画の段階で「解凍後に美味しい状態」を目指しているからですよ。
編集M
のりまきやおいなりさんだと解凍後に美味しいかどうかって、かなり冒険ですよね。あと、冷凍おはぎもびっくりしました! こうしたアイデアってどなたの発想なんですか?
日向さん
キンパも含めて発売を目指したときは、世界のごはんもの、煮込み、焼きたてパンなど、あらゆるアイテムを一気に50くらい、食品部のみんなでアイデアを出し合って決めました。
一般的にはあまり知られていませんが、実は業務用の冷凍和菓子があって、おはぎやお団子はそこをヒントにしています。
日向さん
冷凍でもアイデアのベースになっているのは、これまでレトルトやフリーズドライで培ってきた経験です。
化学調味料を使わずに素材の味を生かす、世界の食文化を伝える、というコンセプトは冷凍でもレトルトでも変わりませんから。
ねほはほポイント3: 世界のシリーズが本格的すぎるの、なんで?
編集M
レトルトでも人気の世界のごはんなど、たしかに一貫しています。
日向さん
のりまきに関しては日本伝統のものももちろん候補に上がりましたが、冷凍ならではの味の再現性などを加味して韓国風を採用しました。
編集M
無印良品の世界のシリーズはもはや代名詞ですもんね。
ラインナップもものすごい数ありますけど、世界のシリーズ専門の方がいらっしゃるのでしょうか?
日向さん
そこも食品部のみんなで決めています。それぞれがリサーチしたり、過去に海外で食べた現地の味の記憶を持ち寄ったり。
編集M
海外のメニューを日本で売り出すとなると、日本人の味覚に合わせる工夫をされている企業さんが多そうですが、無印良品のものは結構本格的ですよね。
たとえばマレーシアのバクテー(豚肉の煮込み)とか、クセ強めな八角やシナモンが結構効いてて現地の味! ってかんじでした。行ったことないんですけど(笑)
日向さん
レトルトや冷凍に加工したとき、風味が損なわれるなどの理由で入れられないスパイスなんかもあって調整はしますけれど、基本的には現地の味に寄せていて、日本人の味覚に合わせて開発することはありません。
編集M
やっぱり!
日向さん
日本でも世界各国の料理が食べられるレストランも多いですけれど、私たちは国内を食べ歩くのではなく、現地の食堂や屋台のリサーチをベースに味の共通点を見つけ、それを商品化しているんですよ。
編集M
だから本場感が強いんですね。
日向さん
現地リサーチも1回で終わることはなく、何度も現地に足を運んで「これだ!」という味を見つけています。
編集M
もはや執念…。そんな地道な背景があったのですね。
ねほはほポイント4: 開発担当もハマる激ウマ冷食を教えて!
編集M
私が食べた無印の冷凍食品はどれも美味しかったんですけど、日向さんが特にお気に入りの商品を知りたいです!
編集M
どっちもまだ食べたことない!
日向さん
あとは餃子かなぁ。焼くだけでなく、スープにも使えてもう一品ほしいとき手軽にアレンジできるし、チャック付きで保存も便利だし。
それから、鶏レバーとこんにゃくのからしマヨネーズソース和えも美味しい。
編集M
あ〜それ! この前編集部内での試食会で買おうと思ったんですけど、レバー苦手なメンバーがいて断念しました(笑)。今度個人的に買ってみます。
日向さん
開発担当なのに自分がまんまとハマってしまって(笑)。どれもおすすめなのでぜひ!
編集M
世界の味だけでなく日本のお惣菜もかなり豊富です。お惣菜の品目数は果てしないので、どれを商品化するかを決めるのは世界の味以上に難しくないですか?
日向さん
冷凍だけでなくお菓子、飲料含めて食品部全員で毎週開発ミーティングをしていて、その場でバーっと候補を挙げて削っていくという作業をしています。そこで残ったメニューを試作して試食して…というかんじで一気に決めていきます。
ねほはほポイント5: どれも美味しいけど、最終ジャッジは誰がしてるの?
編集M
試食のとき、最終的に味のジャッジをするスペシャリストの方がいたりするのでしょうか?
日向さん
食品部内で決めています。味に関して全員が素人です(笑)
編集M
リアルな消費者目線で決められているからこそいいんでしょうね。
日向さん
部内には男性、お母さん、独身の若い子などいろんなメンバーがいて、それぞれの目線で味や容量や使い勝手について、いろんな意見を出し合っています。
編集M
いろんな人がいる分、ついつい個人的な好みを主張しそうです…
日向さん
特に味に関しては、たしかに好き嫌いはありますよ。独特なスパイスを効かせたアジア系の料理や辛い料理が苦手なメンバーもいますし。
ですから、「これ俺は無理」って意見が出たときには逆に「本場の味に近いんだ!」と自信になります(笑)
日向さん
もちろん、家族で食べてもらいたい商品の場合はメンバー全員の意見が合わないと出さないなど、メニューと味の決定に関しては商品のコンセプトによってわりと柔軟ですね。
編集M
食にもトレンドがありますが、無印良品も参考にしていますか?
日向さん
無印良品は食品に限らず、流行を追うのは絶対NGなんです。
他社さんができることは、私たちがやる意味がないという考え方がベースにありますので、業務用をヒントにしたり、世界の食文化を紹介したりという視点で商品開発をしているんですよ。
ねほはほポイント6: 中の人おすすめのアレンジを教えて!
編集M
無印良品の食品を使ったアレンジはAmebaでもたくさんあって、たとえばこんなのとか。
編集M
日向さんのおすすめアレンジを教えてください!
日向さん
メロンソーダにアイスクリームです! 思いっきり開発の担当外ですけど(笑)
※メロンソーダは店舗販売のみ
編集M
美味しいのはまちがいないです(笑)
日向さん
冷凍食品だったら、先ほどもちらっと紹介した餃子をスープに入れて水餃子にするとか…かなぁ。
「海外へ行けない状況がまだ続いています。そんななかで、『あの国で食べたあの味』をご自宅で手軽に楽しんでいただければ…みなさんの生活に少しでも彩りが添えられるといいな〜」
最後にポツリとつぶやいた日向さん。さりげなくも温かい気持ちで日々開発してくれていることが、私たちが無印良品の食品からもらう幸福感の理由かもしれません。
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