短鎖脂肪酸は、血流にのって全身に広がり体温や血流、呼吸などをコントロールする神経が集まった交感神経節に到達します。
交感神経を活性化することで、脳や心臓に指令が出され、心拍数や体温の上昇を促すことで、基礎代謝を高め、脂肪を消費しやすくします。
短鎖脂肪酸の
4つの効果
さまざまな働きの中でも
特に私たちの健康をサポートする
4つの効果について
ご紹介します。
短鎖脂肪酸は、血流にのって全身に広がり体温や血流、呼吸などをコントロールする神経が集まった交感神経節に到達します。
交感神経を活性化することで、脳や心臓に指令が出され、心拍数や体温の上昇を促すことで、基礎代謝を高め、脂肪を消費しやすくします。
腸内で作り出された短鎖脂肪酸は、体内に吸収されると、血流に乗って全身をめぐります。脂肪細胞に到達した短鎖脂肪酸は、脂肪組織に栄養が取り込まれるのを防ぎ、脂肪の蓄積を抑えることで、体脂肪を減らします。
一般に、脂肪の吸収をおだやかにする抗肥満を訴求した菌や成分は、一緒にとった食事に含まれる脂肪の蓄積のみを抑制しますが、腸内で産生される短鎖脂肪酸は食事と一緒にとらなくても体脂肪を減らすことができます。
腸内では、善玉菌と悪玉菌が常に勢力争いをしていますが、短鎖脂肪酸は、腸内を適度な酸性に保ち善玉菌を応援すると共に、悪玉菌をやっつけます。
短鎖脂肪酸のなかでも、特に酢酸には悪玉菌を退治する殺菌作用や、増殖を抑える静菌作用があります。
酢酸を産生するビフィズス菌などの有益な腸内細菌を増やせば、短鎖脂肪酸が増加し、腸からカラダを元気にしてくれます。
私たちの腸は、食事とともに取り込まれるウイルスや病原菌による感染や炎症の危険といつも隣り合わせにあります。
しかし、だからといって私たちは簡単には感染を起こすことはありません。それは腸の粘膜が病原体の侵入を防ぐという腸管バリア機能を担ってくれているからです。短鎖脂肪酸の中でも酪酸やプロピオン酸には、元気な腸粘膜を維持して、腸のバリア機能を高める働きがあります。
ヒトの腸内には、数百種類、
100兆個を超える腸内細菌が生息しています。
その中でも、「ビフィズス菌」などの善玉菌は、
菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を食べることで、
酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸を
産生します。
短鎖脂肪酸をつくるには、
ビフィズス菌などの善玉菌を増やすと共に、
食物繊維などのエサをとり入れることが重要です。
短鎖脂肪酸を生成するために、腸内細菌のエサとなる食物繊維・オリゴ糖を取り入れる必要があります。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、溶けづらい不溶性の食物繊維があります。
腸内細菌は特に水溶性の食物繊維を好むため、アボカドやオクラ、山芋などの水溶性食物繊維が多い食品を食べましょう。
摂取した食品のうち、消化されなかった食物繊維やオリゴ糖が腸に届きます。
腸には様々な腸内細菌が100種類以上生息し、人間に消化されなかった栄養素をエサとしています。
また、腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分けられ、短鎖脂肪酸を生成するビフィズス菌は善玉菌に分類されます。
主に水溶性食物繊維とオリゴ糖をエサにしながら、ビフィズス菌は短鎖脂肪酸を生成していきます。
生成された短鎖脂肪酸が腸内で働くほか、腸から吸収されて全身に届き、様々な効果をもたらしていきます。
この時生成される短鎖脂肪酸とは、酢酸、プロピオン酸、酪酸などがあり、それぞれの役割は異なります。
短鎖脂肪酸を産生するビフィズス菌などの
善玉菌を増やし、
エサとなる食物繊維を
十分に摂取することが重要ですが、
実は日本人はどの年代でも食物繊維の摂取が
不足していると言われています。
食物繊維の中でも、
特に「水溶性食物繊維」を
しっかり摂取することが
短鎖脂肪酸の
産生につながります。
グラフのように、乳酸菌だけを含むヨーグルトよりも、
グリコ独自のビフィズス菌と食物繊維イヌリンを含む
ヨーグルトの方が
短鎖脂肪酸産生量が多いことがわかっています。
※試験概要
慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授/株式会社メタジェン代表取締役社長CEO 福田真嗣氏監修のもと帝人株式会社が実施。
ヒトの腸内に近い環境を人工的につくり出した装置「in vitro腸内細菌叢培養モデル」に、乳酸菌のみのヨーグルト(自社サンプル)と、グリコ独自のビフィズス菌と食物繊維イヌリンを配合したヨーグルトを添加し、48時間培養。
短鎖脂肪酸の主な働きとして、基礎代謝を高め、体脂肪を減らす効果があり、その効果がダイエットに役に立ちます。
脂肪酸は短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の3つに分類されます。3つの脂肪酸の違いは炭素数の数(長さ)にあるため、名前がそれぞれ短鎖・中鎖・長鎖となっています。
中鎖脂肪酸はココナッツなどに多く含まれ、肝臓で吸収されエネルギーとして分解される脂肪酸です。脂肪の蓄積を抑制するダイエット効果や、糖尿病予防効果があります。
長鎖脂肪酸はオレイン酸、α-リノレン酸などが代表的なもので、悪玉コレステロールの減少と善玉コレステロールの増加、動脈硬化予防などの効果があります。